【GPZ900R】
デビューから四半世紀が経とうとしていますが、未だ現役で多くのファンを魅了する
NINJAことGPZ900Rのペイントワークのご紹介。

ずばりカッコイイ!間違いなく日本の名車ですよね。
僕が免許を取ってはじめて手に入れたバイクもNINJAでした、ただしGPZ400Rの中古でしたけど(笑)
もちろん限定解除とお金さえあればこの900Rが欲しかった事は言うまでもありませんが、
若かりし頃の自分には到底手の届かない高嶺の花でした。
あれから約20年、今こうして別の形で触れ合えるこの仕事に感謝しながら、作業に取り組みたいと思います。
全体的にカスタムされ、コンディションも良さそうな今回の車両。
オーナーさんの想いがヒシヒシと伝わってくる1台ですね。
今回は車両預かりでのオーダーなので、パーツの取り外しから始めます。
メーカーや年式によって色々とクセがあるので、脱着作業もなかなか奥の深い作業です、バラしたは良いけど
元通りにならないなんて事が無い様に一つ一つメモしながら進めていきます。
コンディションの良さそうな車両でも、よくよく見てみれば色々と問題が有るものです。
特に樹脂パーツは経年劣化による割れ等はつきもので、取り付け/取り外し時に負荷の掛かる箇所に多くみられます。
それとは別に今回の車両に付いていたアッパーカウルには塗装歴が有り、塗膜の剥がれも見受けられます。
このアッパーカウルは元々は赤(ファイヤークラックレッド?)だった様で、その上からライムグリーンが塗られています。
ただし前回の塗装作業に何らかの問題が有った様で塗膜が食い付いていません。樹脂素材にそのまま塗装する場合は
こういったトラブルが起きやすいのですが、今回は純正塗膜の上に塗装してあったので、やはり作業的な問題が有った様に思います。
どちらにしても、不良塗膜の上に新たに仕事を重ねても後々トラブルが起きる事は明らかなので、問題の塗膜を削り落とします。
ごまかして仕上げる方法はいくらでもありますが、当社ではこの様な場合はキッチリとした作業工程で進めます
ウチのHPでは”耳にタコ”ですが、下地は塗装の命なのです!
カウルの割れている箇所は電熱ピンを溶かし込み、その後溶着していきます。
塗装作業において油汚れのノーサンキュー!各作業中に余計なところに付くと厄介なので、始めにキレイにしておきます。
どんな仕事でもそうでしょうが、段取りはとても重要です。通常の汚れ程度なら基本料金の中で処理しますが、
焼き付いた油汚れやグリス/タールがヒドイ場合は洗浄料金を別途頂く場合もございます。
クリアーコートされたタンクデカールや塗り分けの段差等の処理も行い、
錆が発生していたタンクの裏側はブラスト加工を施しました。
各修正や下地作業が済んだら下地塗料を塗装し、加熱乾燥室へ。
十分に乾燥させたら、これまでの仕事の仕上がりをチェックしならがら研磨作業です。
今回は純正のライン取りに若干アレンジを入れた塗り分けペイントのオーダーなので、ベース色のペイントが済んだら
塗り分けのラインを決めていきます。隣接パーツとデザイン上の繋がりのあるペイントワークの場合は、
この様に車体に組み付けてライン取りをするのが間違い無いので、車体をお預かりして作業を行います。
キャンディーレッド/ガンメタリック/ゴールドの塗り分けとロゴペイントをクリアーで包みペイント作業は無事終了。
只今仕上げの磨き中。
 
新品の緩衝スポンジパッドやウィンカー類をセットアップして、パーツを車体に組み付けていきます。
塗装してピカピカになったモノを組み付けるのは、緊張する作業です。十分に段取りをしてキズ付き等の
トラブルが起きないよう慎重に組んでいきましょう!
組み付け作業も無事終了し、ようやく完成です。
オーナーさんのフェーバリットカラーの赤をキャンディーレッドで表現し、ガンメタとゴールドで塗り分けてあります。
残念ながらこの写真ではキャンディーの色味は再現できませんが、深くて冴えの有る良い色に仕上がっています。

タンクのKawasakiロゴはペイント、アッパーとサイドカバーはデカール貼り付け仕上げになっています、
無論全てをペイントで入れる事も可能です。出来る限りオーナーさんのご要望に細かくお答え致します。

なんだか、20年前の僕の物欲がまたウズウズしてきました。
年月が経っても色褪せない、不変のカッコよさに脱帽です。
NINJA最高!